関東支部 支部長挨拶

化学工学会関東支部の活動に関し、日頃より皆様からのご理解とご支援を賜り誠にありがとうございます。今年度から関東支部長を拝命しました東京科学大学の大友でございます。関東支部は今年度70周年を迎え、1955年の設立以来、関東・北陸を活動の場として、化学工学に関わる啓蒙活動や人材育成について産学連携で推進しています。現在の国内外の状況は、気候変動問題をはじめとした地球規模の複合的な課題解決に向けた取り組みに加え、生成AIやデータサイエンスを含むインフォマティクスの科学技術への適用が急速に進んでいます。また、カーボンニュートラル社会への移行は、化学の学理を産業応用に繋げる化学工学の手法が必要不可欠であり、化学工学会がその中心的な役割を果たすことが大いに期待されています。
以上を背景に、関東支部では3つの企画グループがそれぞれ独自の視点で活動を進めて参ります。
1)最先端の話題の提供
各分野の最先端技術を紹介し、話題のテーマをわかりやすく解説します。さらに、各企業の主力産業の新規技術や製品について紹介します。
2)普遍的技術の継承
化学工学の内容を中心とした大学の講義内容を補う講習会、あるいは企業における研究開発や工場の運営管理で必要な知識基盤の継承のための講習・見学会を実施します。
3)化学工学の普及活動
若手の人材育成を重視し、高校生に化学工学を認知させる企画や会員の活性の向上や会員の親睦を深める企画を進展させます。
このように関東支部では、①最先端の研究開発に対する理解や身近に感じる場を求める皆様、②普遍的な技術体系の理解や継承を進めたい企業パートナーの皆様、さらに③基礎学問の学びや実践に興味をお持ちの学生や企業の皆様に対する普及活動を続けます。学会発表の場である支部大会や年会の運営にも尽力して参ります。知の探求と協創による技術革新、さらに産業応用に結びつける情熱を持った支部メンバーが集結しており、70周年の節目を迎え、多様かつ複雑な問題に対し、産学間で協力し合いながら社会の持続的な発展に貢献することを目指します。
今後とも、皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
(2025年4月1日)
公益社団法人化学工学会
関東支部長 大友順一郎
(東京科学大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 教授)